現在Voidで開催中(2021年9月18日 - 12月26日)の、食品まつりa.k.a foodman 個展「やすらぎランドの世界展」のために作られた写真集。
本作を演出するために食品まつりが書き下ろした「架空の道の駅」のBGM集(5曲)付き、初の写真集作品です。
限定500部
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発行日:2021年9月18日
発行者:Void
写真:食品まつり a.k.a foodman
デザイン:一野篤
印刷:有限会社 修美社
製本:大竹口紙工株式会社
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<写真集『Yasuragi Itawari Hirogari』刊行にあたって >
コロナ禍を経て、新作アルバム『Yasuragi Land』をリリースした、電子音楽家の食品まつりa.k.a foodman。2012年のカセットリリース後、ワールドツアーで世界中をとびまわる活動をしていた音楽家が直面したロックダウン。国内イベントまでもがなくなったときに、彼が見ていた音楽的景色とは。
本写真集は、新アルバム制作背景にある、身のまわりのもので制作した立体オブジェの記録集です。そこには、立体オブジェだけでなく、彼の自宅スタジオ周辺である_____の郊外の風景が写し出されています。
その郊外とは、日本のどこにでもある風景であり、またそれゆえに日本独特のものであるということもできるでしょう。
前回の個展で展示されたイラストが、立体オブジェとして郊外でも制作されるそのさまを記録し、写真集でまとめることで、「どんな場所でも、どんな状況であっても制作ができる」というポジティブなメッセージを本写真集の刊行にこめました。
Voidは、2019年の12月に兵庫県加西市にオープンしたギャラリースペースです。わたしの生まれ故郷であるこの町も同じく、大型ショッピングセンターやサービスエリアがある郊外です。食品まつり氏の写真にうつる郊外の風景に共通性を感じたことが、写真集刊行のきっかけとなっています。
2020年から続くコロナ禍は、音楽家だけでなく、多くの人に影響を与え、「やすらぎ」や「いたわり」が必要とされる時代となりました。それは、都市も田舎も郊外での生活者も等しく求められているものでしょう。
本写真集によって、この時代の、どこにでもある日本の〈郊外〉でつくられるユニークさが「ひろがり」、国内だけでなく海外の人にも伝わればと思います。
伊藤大悟 Void ディレクター、プロデューサー
<食品まつり a.k.a foodman>
名古屋出身の電子音楽家。2012年にNYの〈Orange Milk〉よりリリースしたデビュー作『Shokuhin』を皮切りに、〈Mad decent〉や〈Palto Flats〉など国内外の様々なレーベルからリリースを重ね、2016年の『Ez Minzoku』は、海外はPitchforkのエクスペリメンタル部門、FACT Magazine, Tiny Mix Tapesなどの年間ベスト、国内ではMusic Magazineのダンス部門の年間ベストにも選出された。その後Unsound、Boiler Room、Low End Theoryに出演。2021年7月にUKのレーベル〈Hyperdub〉から最新アルバム『Yasuragi land』をリリース。Bo NingenのTaigen Kawabeとのユニット「KISEKI」、中原昌也とのユニット「食中毒センター」としても活動。独自の土着性に下地にジューク/フットワーク、エレクトロニクス、アンビエント、ノイズ、ハウスにまで及ぶ多様の作品を発表している。